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ドアを勢いよく開けて飛び込んできた金色の嵐に眼鏡の下の眼を平にしたウーヴェがボソリと呟くと、寒空の下でも元気一杯と称したくなるような男の顔が呆気に取られたようになり、鳩が豆鉄砲を食ったようなそれに自然と吹き出してしまったウーヴェだったが、ズカズカと己の前にやって来たダーリンが腰に手を当てて口をへの字に曲げた事に気付き謝罪の代わりの頬に手をあてがって不満を訴える唇にキスをする。
「……お疲れ様、リーオ」
「……むぅ」
「どうした?」
「どうしたじゃねぇ! さっきさぁ、遅ぇとか言わなかった?」
「うん? 言ったな」
素直に認めるウーヴェを睨めつける様に見つめたリオンだったが、そんなに俺が来るのが待ち遠しかったのかとにやにやしながら腕を組むとそっと眼鏡を外したウーヴェが小さく息を零した後、リオンの鼓動を速める様な笑みを浮かべる。
「ああ、待ち遠しかったな」
誰かさんがいつも言うから素直になってみようかな。
「~~~~~オーヴェぇ……っ」
「どうした?」
「あーもー!」
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