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青白い顔のウーヴェに問いかけて了承を得たリオンは、ウーヴェの背中をベッドヘッドに立てかけたクッションに預けさせると、ウーヴェの左足を己の足に載せて向かい合うようにあぐらを掻いて座り、痛みを訴えている足をそっと両手で挟んでそのまま足の甲に口付ける。
「……リーオ……っ!」
足へのキスなどまるで主従関係のようで嫌だとウーヴェが軽く足を引こうとするが、この傷はお前が頑張った証だからと片目を閉じるリオンに何も言えず、腕で目元を覆い隠したウーヴェは、暗闇の中で左足から生まれた痛みが同じ場所から薄らいでいくことに気付く。
「今日はさー、ボスが相変わらずひでぇの」
人を馬車馬のごとく働かせるくせに自分はのんびりとお茶をしていたので腹が立ったから後で食べるつもりだったお菓子を隠してやったと、その時の様子がありありと分かる声が聞こえ、腕を外して声の主を見やれば少しでも早く痛みが消えろと言いたげな顔で足を撫でてくれていた。
「……またそんなことをして、明日知らないぞ」
「平気だって。それぐらいした方が良いんだよ」
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