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こんな風に足を痛めた己はリオンにとって重荷ではないのか。あの時彼が言ったように己はリオンの足枷になっているのでは無いのか。
そんな疑問が生まれた胸が痛み、つい前屈みになって膝に額を押し当てる。
「どーした、オーヴェ?」
ウーヴェの様子がおかしいことに気付いたリオンがマグカップをサイドテーブルに置きウーヴェの横に腰を下ろすと同時に痩躯が傾いで寄りかかってきたため、しっかりとそれを支えて白とも銀とも付かない髪に口付ける。
「大丈夫だ、オーヴェ」
ウーヴェが口に出来ない思いに気付いているリオンが宥めるように背中を撫でて髪にキスをし、あの日の誓いを忘れたのかと大切な言葉を軽い口調で問いかける。
「ずっと一緒にいるって誓ったのにさぁ、もう忘れたってのかよ、オーヴェ」
酷い、ひどすぎるぜダーリンと情けない声を出してウーヴェを非難したリオンは、腕の中の身体が揺れ血の気が失せた顔が上げられたのに気付くと、その顎に手を掛けて軽く持ち上げる。
「な、あの時の誓いは嘘じゃねぇだろ?」
「……あ、ああ……」
「じゃあさ、今お前が言おうとしてるの、飲み込むんじゃ無くて吐き出せよ」
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