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口にすれば本当になると恐れるお前の癖は知っているが口にすることで本当にならないように二人手を取ってそれを阻止しようと誘うと、ウーヴェの頭が一つ上下に揺れる。
「リーオ……俺、は……」
幸せになっても良いのか。お前の重荷になっていないのか。
その疑問の声に瞬きをしたリオンはウーヴェの背中を今度はシーツに預けると、顔の横に腕をついて額と額を重ね合わせて笑みを浮かべる。
「えー、オーヴェ、俺と一緒に幸せになるの、イヤ?」
「そ、んなことは……っ!」
「だったら幸せになっても良いんだよ」
いや、なってもいいのではなくなるべきなんだと口調を少しだけ強くしたリオンは、驚いた様に目を見張るウーヴェの顔を見下ろし、ウーヴェが惚れてやまない太い笑みを浮かべて破顔一笑。
「お前と幸せになる為に俺は生まれてきたんだからな」
だからお前も俺と一緒に幸せになれと優しい強さで命じたリオンは、ウーヴェがただ目を見張っている様に目を細め、お前に出逢ってから生まれてきた意味を知り、生きていく意味を見つけたとも笑うと、ウーヴェの唇が軽く噛み締められる。
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