LOVE.

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 嫌だの何だのと聞き続けているのも飽きて来たと満面の笑みを浮かべて助手席を見たウーヴェは、顔を引きつらせながら狭い車内で可能な限り距離を取ろうとするリオンの胸倉を信じられない強さで掴んで引き寄せたかと思うと、呆然とする唇を塞ぐようにキスをする。 「……!!」 「よし、静かになったな」 「もー! なぁんで俺のダーリンは時々そんな暴君になるんだよー! 昨日の夜もそうだった!」 「お前がそうさせているんだろう?」  暴君だなどと人聞きの悪いと横目でリオンを睨み付けたウーヴェだったが、クラクションを鳴らされて信号が変わったことに気付き慌てることなくアクセルを踏む。 「うぅ……オーヴェのイジワル。トイフェル。悪魔」 「どっちが悪魔なんだ」  お互い顔を見ずに悪魔だの何だのと軽く罵り合っていると車は屋敷の前に到着し、それと同時にリオンが己の頬を両手で叩いて深呼吸を繰り返す。 「……よし!」  助手席でリオンが気合を入れたのを内心微笑ましく見守ったウーヴェは門扉が開いたためゆっくりと車を進め、階段近くに止めて玄関で待ってくれているエーリヒに合図を送ると、リオンと並んで階段を登り、彼に車のキーを預けて長い廊下を進んで行くのだった。
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