LOVE.

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「どうしたの?」 「……ムッティ、ごめん、怖い目に遭わせた」 「……大丈夫よ。あなたがちゃんと守ってくれたから大丈夫」  ありがとう、優しいリオンと背後を振り返りながら優しく笑いかけたイングリッドに最初は遠慮していたリオンだったが、そっと手を伸ばして細い体を抱きしめる。 「ケガしなくて、良かった」 「そうね、ありがとう」  細い肩に押し当てられるリオンの顔を抱く様に手を回したイングリッドだったが、鼻をすする様な小さな音が聞こえた後、あ、と小さな声も聞こえてしまい、どうしたのと問いかけながらリオンの顔があった肩を見ると、涙か鼻水か唾液かは不明だがリオンの顔から流れ出した液体が服に染みて冷たくなっていた。 「……あらあら。服を濡らされるなんて何年ぶりかしら」  幼いウーヴェを抱いている時は良く涙や鼻水やヨダレを服に付けられたものだと鈴を転がした様な声で笑うイングリッドだったが、ギュンター・ノルベルトやレオポルドが何とも言えない顔でリオンを見、その視線にリオンの顔がみるみる赤くなる。 「オーヴェぇ! 助けてっ!!」 「……」  こればかりはどうにも出来ないと言いたげにリオンを見て肩を竦めたウーヴェは、背後から首を絞める様にしがみつかれて目を白黒させてしまう。 「リオンっ! 苦しいっ!!」  首が絞まるとリオンの腕をバシバシと殴りつけて苦痛を訴えるウーヴェに家族も流石に危ないと思ったのか、リオンに力を緩めなさいと皆が口を揃える。
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