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本当はキスしたいくせにーと、図星を刺されて思わず目尻のほくろを赤く染めてしまったウーヴェは、しないといえばしないと絶対に通用しない言葉を吐き捨ててこの話は終わりだと手を振るが、その手を掴まれ青い目に瞳だけではなく心の奥底まで見つめられている錯覚を覚えてしまう強さで見つめられて自然と眼鏡の下で目を泳がせてしまう。
「オーヴェ」
「……っ!」
その目に見つめられ、名を呼ばれるだけでどうしようもないほど落ち着きを失ってしまう己が恥ずかしく、顔を背けるとくすりと小さな笑い声が間に落ちる。
「……もー結婚して何年経つと思ってんだよ-、オーヴェ」
本当に本当に、俺のダーリンはいつまで経っても恥ずかしがり屋さんなんだからぁと、揶揄っていると言うよりは情だけが籠もった声で笑われ、上目遣いで見つめると、いつもいつまでも見続けたい笑みを浮かべたリオンがいて。
「……恥ずかしがり屋でも素直じゃなくても良いけど」
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