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素直じゃないお前も好きだけど素直なお前はもっと好きと、ウーヴェの心と体をある方向へと向かわせる言葉をウーヴェの耳に囁きかけながら笑うリオンに勝てるはずもなく、クッションを抱えていたときよりも強く優しい力でくすんだ金髪を胸に抱き寄せ、期待に満ちている目を閉ざさせる為に瞼にキスを落とし、同じ期待に薄く開く唇にそっと唇を重ねる。
「……ん」
どちらのものか分からない鼻から抜けるような息が間に落ち、離れようとするウーヴェを引き留めるようにリオンがウーヴェの髪に手を差し入れ、重なった唇の向こう側に舌を押し込む。
「ん……っ!」
予想外の密度の濃いキスを交わしたあと、ウーヴェは目の前の肩に顔を押し付け背中を一度震わせてしまい、リオンが小さく満足げな息を吐く。
「……ベッド行く?」
その声に一瞬で現実に引き戻されたウーヴェが耳まで真っ赤に染め、うるさいと思わず怒鳴り返してしまう。
「もー、本当に素直じゃないんだからー」
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