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「一番大切な約束が出来たからさ、今日のランチはワインを飲んでも良いぜ、オーヴェ」
今日は安息日、どこにも行かないからランチでワインを飲んでも良いし、食後に兄貴が持ってきてくれた酒を飲みながら映画鑑賞をしてもいいと、唯一の気がかりを解消できた満足感に伸びをするリオンの言葉に一度目を伏せた後、マウリッツに教えてもらった料理を作りながらビールを飲み、それを食べるときに白ワインを開けようと、リオンが絶対に逆らうことのできない笑顔で告げると、作りながら飲んで食う時も飲むのかよとげっそりとした顔で呟かれる。
「飲んでも良いんだろう?」
そう言ったのはお前だとテーブルに突っ伏すリオンのくすんだ金髪を撫でると、オーヴェのトイフェル、悪魔というお決まりのフレーズが流れ出し、ほんの少しだけ気の毒に思った為に食後はチョコレートチップをまぶしたアイスを食おうと提案をすると、疑いの眼が向けられる。
「心外だな」
「……バニラとチョコアイスにチョコチップをかける」
「うん、まあそれも良いんじゃないか?」
そのあたりで手を打とう、だからいつまでもそんな顔をするなと笑うとテーブルから上体を起こしたリオンがもう一度伸びをして青空へと顔を向ける。
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