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  傍らの線路を反対方向から来た電車が通   過していく。   それを見ている義則。 義則(N)「自分の人生はずっと、順調に走  り続けていると思っていた。立ち止まる事  なんてないと」 ○ マンション・一室(夜)~義則の回想   広々とした室内だが、どこか寒々しい。   ダイニングのテーブルに義則と妻・彩子   (32)が向いあって座っている。   二人の間には、離婚届が置かれている。   彩子の方だけ署名・捺印済の名前欄。   硬い表情の彩子。 義則「…須藤くんとは、長いの」 彩子「……一年、くらいかな」 義則「一年か。気づかんかった」 彩子「気にしてなかった、でしょ」 義則「…そうやな」 彩子「お義父さんのこと…ごめん」 ○ 壺阪山駅(朝)~現実   動き出す電車。   窓外を見つめ続ける義則。   手の中で丸められた求人誌。 ○ コンビニエンスストア・店内(朝)
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