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  店の外、慌てた様子で車に乗り込む由梨   の姿。 ○ 同・前(夕)   義則が「お疲れ様ですー」と言いながら   出てくる。 ○ カトリック幼稚園・外(夕)   通りかかる義則。   柵の向こう、年配の女性教師と話してい   る由梨が見える。   由梨、義則に気づき、笑顔で会釈する。   義則も会釈を返し、歩いていく。 ○ 走る電車・車内(夕)   座席に義則が座っている。   夕陽が眩しい田園風景。 義則(N)「立ち止まって初めて、自分は何  ひとつ手にしてない事に気づいた。僕は何  をやってたのだろうか。愛していたと思っ  てた人も、今はもういない。人を好きにな  る事も、もう忘れてしまった」   電車が壺阪山駅に停車する。   電車通過のアナウンス。   開いたドアから何人か乗ってくる。   隣の線路を、特急列車が通過していく。 義則(N)「みんな僕の前を通過していく。
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