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２
義則（Ｎ）「験(しる)しなき恋をもするか夕
されば人の手まきて寝らむ児ゆゑに…人の
手に抱かれて眠る、か」
覚束ない足取りで義一が入って来る。
顔を上げる義則。
義則「起きてたんか。どっか痛いの？」
義一「いや、トイレや」
義則「明日病院やろ。早よ寝ぇや」
義一「…彩子さん、残念やったな」
義則「…もう忘れたわ」
義一「そうか」
義則「そうや」
義一「……あんまり、自分を責めなや」
義一、部屋を出て行く。
義則、ふっと息をつき、本を閉じる。
○ コンビニエンスストア・店内（朝）
レジにいる義則。
表に車が止まり、由梨が下りてくる。
入って来る由梨。
義則「いらっしゃいませ」
由梨、屈託の無い笑顔で応える。
パンのコーナーに行き、コッペパンを手
にとりレジに来る由梨。
義則「また寝坊？」
由梨「（苦笑して）色々考えてたら、眠れな
くて」
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