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*  大会当日、同級生の知念がプログラムを見ていたので、僕も見せてもらった。  パラパラとページをめくり、なるべく「なんとなく」を装って、女子走幅跳のページを開く。  出場選手の欄から名前を探す。  『岡野 美空 雄山第一高校(2)』  という一行を見つけた。僕は安堵感を覚える。大会で会えるんだなと。 「なになに? 女子走幅跳の選手なんか見ちゃって。タッキーの彼女でも出てんの?」  知念が僕の見るプログラムを覗き込んだ。同級生たちの中では、「滝川 = タッキー」という渾名(あだな)がいつのまにか定着していて、僕はあちこちからタッキーと呼ばれる。 「バーカ。そんなのいねーよ」  僕はプログラムを閉じて知念の頭を軽く叩いた。  二日間開催される大会だが、男子走幅跳は初日に行われる。  岡野先輩にも会いたいけれど、まずは自分の種目に集中だ。  
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