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 走幅跳は、一人ずつ試技していくので、待ち時間がある。  かといって、待ち時間をダラダラしているはずはない。空いているスペースで走ってみたり、ストレッチをしたり、要は身体を冷やさないようにしている。  僕も他の選手と同じように空いたスペースを走っていたが、ふと立ち止まり、スタンドを見上げてみた。少しだけあの人が見つからないかななんてことを期待しながら。  すると、僕の目はある一箇所に引き寄せられた。何十人もの高校生がスタンドにいる中で、僕はただ一人だけに引き寄せられた。  スタンドから四列目に赤と白のジャージを着た女子が三人座っている。  右側に座っているのは、ボブぐらいの長さで、少し茶色がかった髪の女子がいた。  岡野先輩だ。  こんなに高校生がいる中で、岡野先輩が見つけられた。  と言っても、岡野先輩は、こちらを見てもいなかったけれど。
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