始まり

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「ぶは──ッ」空いたペットボトルを床に放り投げ、また寝そべる。 天井を見つめ、しばらくボーッとしていた。 メイク落として、シャワー浴びなきゃ。でも、身体が鉛のように重く、動かない。 寝たまま、バッグの中から携帯を取り出す。画面の明かりが眩しい。 着信を開き、1番上にある未登録の番号を確認する。 「はやさか・・・ゆうり・・・」 漢字もわからないし、なんて登録しよう。 即決で、【オネエ】になった。 ——— 変な、人だったな。 瀬野さんのほうは"まとも"だったけど、どこかとっつきにくい感じ。でも、悪い人ではないのはわかる。 ていうか、ゆうりって、名前も女ぽいな。 薄れゆく意識の中で最後に考えたのは、そんなことだった。
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