突撃、お宅訪問?

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「豪快だね、おばあちゃん・・・どう?美味しい?」 「味がしねぇ!」そう言い、おばあちゃんは壺の中の唐辛子をポリポリと食べ始めた。 見ているだけで、唾液がたまる。 「あーん」 早坂さんに催促され、ゼリーをまた口に運ぶ。1つ食べ終えるのも辛そうだったが、何とか完食は出来た。 「次は栄養ドリンクです」 「ずいぶんいっぱいあるのね」 「冷蔵庫にもあるので、あとで飲んでくださいね」 「口移しで飲ませてくれないの?」 「風邪も移りますが」 「ああ、そうね。いただくわ」 ──こういうのも、最近は受け流せるようになってきたが、それと同時に本当にやってやろうかとも思うようになってきた。この"軽口"の裏にある"真実"を引き出したい。 「・・・睨まれてる?」 「いいえ。薬は最後、いつ飲みました?」 早坂さんは考えた。脳内で時を遡っている。 「昨日の夜ね」 「ちなみに、なんの薬ですか?見当たらないけど」 「咳止め?それしか無かったのよ」 「・・・咳はしてませんがね。まあいいです。買ってきたので、飲んでください」 「あい、ありがとう」 この素直さは可愛いが、やってることには腹が立つ。もう少し、自分の事を真剣に考えてほしいものだ。 薬を飲んだ早坂さんは目を閉じ、──ニヤニヤしていた。 「何笑いですか?」 「いえね、定期的に風邪引きたいなと思って」 「・・・なぜに?」 「あなたがこうやって、側にいてくれるんだもの」 「・・・わたしは気が気じゃないです」 「ふふ、これからも風邪引くように頑張るわ」 「風邪引かないように気をつけるの間違いですが!」 早坂さんがうっすら目を開け、わたしを見た。 そして、手が差し伸べられる。わたしはその手を当然のように握った。 「ありがとう、雪音ちゃん。あなたがいてくれて本当に良かったわ」 「・・・・・・死に際のセリフみたいに聞こえるんでヤメテもらえますか」 早坂さんはブッと噴き出した。 「まあ、このまま死ねるなら、それも悪くないわね」 「もう、ヤメテくださいって!いいから寝てください!」 「あはは、わかったわ。このままでもいい?」 ダメとは言えないくらい、強く握られている。 「はい」 「・・・ありがとう」
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