始まり

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始まり

幼い頃から、"変人"というレッテルを貼られる事が多かった。 いつも何処か変な所を見ている。独り言が多い。突然泣き出す。突然笑い出す。 そしてある出来事をキッカケに、両親はわたしをいわゆる"先生"のところへ連れて行った。 でも、診断結果は至って正常。 医者の質問には的確に答え、読み書き、判断能力、運動能力。どれをとっても同年代の子供よりは長けていたと思う。 わたしは自覚した。他の子とは違うんだと。 それからは、あえて"見えない"ふりをしてきた。何も聞こえない、そこには何も居ないと自分に言い聞かせた。 だけど、それも失敗に終わることがある。 それが、たった今、この現状だ。 ああ、どうしよう。 "彼女"は地面を引きずるほどの長い髪を顔に垂らし、その隙間からわたしをジッと見つめている。 普通なら見惚れるほど大きくて綺麗な目だが、残念なことに、普通とは程遠い。 私の認識では、人間の目は2つ存在する。だけど、彼女の目は1つ。それも、顔の半分程を覆う大きさで、それが額の位置にあるのだ。 ああ、こんなことなら、わたしも飲みに行けばよかった・・・。 何故こんな状況に陥ったかというと、話は1時間程前に遡る——。
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