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魂の叫びのようなそれに少し慌てたダニエルの声が重なり、それに気付いたリアムが振り返ってリードを引っ張られているのに動こうとしないシバの前に再度しゃがみ込むと、両手で耳の根元を撫で回す。
「ほら、ダニーと散歩に行ってこい」
その言葉が欲しかったのかそれともリアムからのスキンシップが欲しかっただけなのか、耳の付け根辺りを撫でられて甘えるような声を出した後、私は何もワガママなど言っていないと言いたげなすました顔になり、早く行くぞと言わんばかりにポカンとする3人の男たちに尻を向ける。
「……柴犬って面白いな」
「そうか?」
リアムの楽しそうな言葉にダニエルが信じられないと目を丸くしエディが無言で肩を竦めるが、皆それぞれ朝のルーティーンの途中だと思い出し、じゃあと手を上げて家に戻ったり散歩に向かったりするのだった。
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