A Man Called Liam. - リアムという男 -

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 スーパーからほど近い自宅のガレージに愛車を止め、今日も一日よく動いてくれたとボディを撫でて労った後、買ってきた商品を同じように小脇に抱えてガレージのドアを開けると、すぐ前には床掃除をしてくれているのかと笑いたくなるほど左右に尻尾を振り舌を出して出迎えてくれている愛犬のデュークが待ち構えていて、ただいまデュークと声をかけつつソファに荷物を降ろして帰宅したことを教えるように頭をワシワシと撫でる。  それが嬉しいのかひときわ大きく尻尾が左右に揺れた後、頭をリアムの掌に押し付けるように伸びあがり、こらと笑いつつそれを受け止め耳の付け根のあたりを少し強めの力で撫で、もうすぐケイさんも帰ってくるからブラッシングをしてもらえと笑いかけ、ソファに置いた荷物を三度抱え上げてキッチンに向かうと、デュークがトコトコと後を追いかけてくる。  その光景もデュークと一緒に暮らすようになってからは当然のものになり、この後時間の短長はあれどももう一人の家族が帰宅すれば自分達の間に黒と茶色の毛に覆われた頭をぐりぐりと押し込んでくるのも当然のものになっていた。
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