A Man Called Liam. - リアムという男 -

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 同じシドニーに暮らしながらもさすがに多忙なゴードンとは中々会うことが出来ず、メディアを通して見かける度に元気そうだと慶一朗と話題にするぐらいだったが、ヨンソンとは約一年ぶりの再会で、固く握手を交わして再会の喜びを素直に表すと、二人の顔にリアムの背後で突然やって来た二人の男は誰だ、慶一朗やリアムに危害を加えないだろうなと警戒する気持ちを全身から発しながらもリアムの命令に従っているデュークへの興味が浮かび、あのシェパードの名前はと問いかける。 「ああ、デュークだ」 「公爵か。良い名前だな」 「何だ、この家には王族しかいないのか」  確かお前は王子様と呼ばれていたなと昨年の出会いの時に聞かされたことを思い出したヨンソンが肩を揺らし、そうなんだと朗らかに笑うリアムに呆気に取られるが、驚かせてしまったがデュークに触っても大丈夫かと、飼い主二人の許可を取るように顔を見ると、慶一朗が全幅の信頼を置いている顔でリアムを見つめ、見つめられたリアムも一瞬考え込むが、ヨンソンが自宅ではボクサーを、ゴードンが二頭犬を飼っていることを教えられ、それならば大丈夫だと頷いた後、デュークの前に向かった後一言二言何かを告げてどうぞと二人を手招きする。
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