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人前でのスキンシップが苦手なら苦手でも特に気にすることのないリアムだったため、もう気にしなくて良いと二人の目がこちらを向いていないことを確かめた後、落ち込みから下がっている口の端を上げてくれと伝えるようにそこに素早くキスをする。
「……何か手伝えるか?」
日常生活不能男と揶揄われる己が手出しをすれば余計な手間が増える恐れから問いかけてくれる慶一朗に笑を浮かべ、天気も良いし二人が来てくれたから庭で食べよう、どうせならバーベキューをしようと片目を閉じ、食材は運良くさっき買ってきた肉などがあるし冷蔵庫にもストックがあるからそれを食べよう、火を熾すことはヨンソンが手慣れているはずだから彼に頼もうと囁き、突然の訪問だからそれぐらい頼んでも大丈夫だと茶目っ気を込めて続けると、漸く慶一朗の顔に小さな笑みが浮かぶ。
「それもそうだな」
「ああ。用意が出来るまでビールを飲んでオイスターを食べるのはどうだ?」
慶一朗の顔に浮かんだその小さな笑みを少しでも大きく深くしたかったためににやりと笑いつつ更に提案をするとそれに乗ったと慶一朗が口笛を吹いて笑みを浮かべて指を鳴らし、それに気付いた二人とデュークがこちらに顔を向けたことにも気付くと、ヘイ、不良親父達、ディナーの準備をリアムがやってくれるから手伝ってくれと、さっきまでの落ち込みが嘘のような尊大な態度で二人に言い放つ。
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