A Man Called Liam. - リアムという男 -

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「お、何だ何だ、出来る事なら手伝うから言ってくれ」  慶一朗のそんな尊大な態度を気にも掛けずに何を手伝えば良いと問いかけつつ二人の前にやって来たヨンソンにバーベキューグリルを出すから火を熾して欲しい事、その間ビールとオイスターを摘まみにしてくれとリアムが返し、その間に食材の準備をする事を、慶一朗に倉庫から必要なものーリアムとキャンプに行くようになってからバーベキューをするときに何が必要かは理解出来る様になっていたーを出してくれと頼み、お前は食べないのかと短くゴードンに問われて全く意に介していない顔で頷く。 「オイスターを少し残しておいて欲しいな」  それで良いと笑うリアムに三人がほぼ同時に顔を見合わせて同じ思いを抱いたことを教えるように溜息を吐き、どうしたと急に同調し始めた三人の様子にリアムが首を傾げる。 「……ケイやジャックが究極のお人好しと今日お前のことを話していた理由が良く分かるな」 「本当にな」  普通、突然家に何の連絡も無く押しかけた時点でマナー違反だろうしアウトだろうとヨンソンが腕を組んで何処までお人好しなんだと溜息を吐き、その横ではゴードンも同意を示すように何度も頷くと、リアムがハニーブロンドの頭に手を当ててからからと笑う。 「それもそうだけどなぁ」
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