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「そう思われても構わない、その覚悟はあるようですよ」
「……参ったな、俺が余計な心配をする必要は無かったって事か」
「あなたの気遣いは嬉しいと思いますよ」
そんな事を言える人なのだ、己を案じてくれる人の言葉も素直に受け止めて感謝できる強さがあるだろうと、元生徒達に恩師には何年経っても敵わないと思わせるようなことをさらりと告げたホーキンスは、今日の診察は午前中で終わりだ、そろそろ終わりだからランチに行く準備をしましょうかと顔を綻ばせながら立ち上がり、ヨンソンも一瞬で表情を切り替えて診察台から飛び降りる。
「院長、お客様です」
二人が診察室から出ようとしたとき、部屋の奥で隣と繋がっている廊下からヘンリーが顔を出し、お客様とホーキンスが小首を傾げるが、その顔が元に戻るか早いか診察室のドアがノックされて勢いよく開いてしまう。
「先生、診察は終わりましたか!?」
終わったのならケヴィンと一緒にチャイニーズレストランにランチに行こうとドアノブを掴んだまま子どものように顔を輝かせる、NSW州最高位のドクターに二人が思わず顔を見合わせたあと、ほぼ同時に呆れたような溜息を吐き、突然やって来たゴードンの顔に疑問符を盛大に浮かべさせてしまうのだった。
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