A Man Called Liam. - リアムという男 -

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 ほろ酔いのヨンソンがゴードンの自宅に戻る為に席を立ち、そんな二人と同じようにリアムと慶一朗が立ち上がって自然と互いの腰に腕を回すと、名残惜しそうにリアムが眉尻を下げる。 「もう帰るのか」 「ああ、仕方がない」  ケアンズとシドニーは同じ国内だがそれでも飛行機で3時間ほどの時間を必要とする距離があり、それが残念だとリアムが素直な気持ちを口にすると、同じ気持ちである事を教えるようにヨンソンが鍛えられている腕を撫でて肩に手を乗せる。 「休暇が取れればケアンズに来い」  俺のボートで釣りに行こう、そして何もしないのんびりとした休暇を過ごそうとにやりと笑うヨンソンの顔にはリアムの優しさを心配するあまりの皮肉など一切無くゴードンに語りかけるときと同じような表情が浮かんでいて、きっと彼の中で何かが変化をしたのだと気付いたリアムがヨンソンの背中をそっと抱きしめ、同じ強さで背中を抱かれて安堵の息を零す。 「ケヴィン、リアムと仲良くするのは良いけれどハグ以上はするなよ」  そんな二人の様子を面白くなさそうな顔で見ていた慶一朗だったが、思わず本音を吐露してしまい、ヨンソンとゴードンの顔をにやけさせてしまったことに気付いて今の言葉は無しだと小さく叫ぶ。 「安心しろ、俺のタイプはお前達じゃ無い」 「……それ、喜んで良いのかなぁ」
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