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二人が小児科病棟から立ち去った後を面白半分のゴードンがヨンソンと何故か連れまわされてげっそりしていたテイラーと一緒に追いかけていたが、庭に出ていくのを見つからない場所で見守っていた三人が見たのは、気張ることも無い相手と一緒にいる安堵を滲ませた二人の様子で、何故かほぼ同時に三人とも安堵の溜息を吐いていたのだ。
恋人や伴侶が仲良くする様子など独り身のゴードンやヨンソンにとっては目障りなものとしてしか認識されなかったが、それが友人だとなると安心感をもって見守れるものになる不思議を体感してしたことを思い出す。
「昨日は俺たちがリアムをいじめていると思ったらすっ飛んできた。昨日もそうだしあんな姿を見せられるという事はケイがリアムの深いところを知っている証だと思うぞ」
「……あれか、ケイが受け入れてくれているからより自然体でいられるようになったのか」
「そうかも知れないな」
どのような己であれ、肩ひじを張る事も無理をすることも無いありのままの姿を最も間近で見守ってくれ受け入れてくれる人がいる、それに気付いた時人はきっとどこまでも強く優しくなれるのだろうと、日頃のヨンソンからは想像もつかない言葉を風に乗せると、ゴードンも揶揄う素振りもなくそうだなと頷き感心したような息を吐く。
「受け入れるだけではなく駆け付けて守ってくれる、それも知っているんだろうな」
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