Ordinary days.

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 一瞬でリアムの笑い声が止まる一言を呟いた慶一朗だったが、ベティーと呟き返されて己も一瞬で睡魔の残滓を吹き飛ばす。 「ああ、違う、女なんか食いたくない」  卵料理で何という料理だったか忘れたがどこかのカフェの店員がそう言っていたと、内心の焦りを少しだけ滲ませながらヘイゼルの双眸を見上げると、何かに気付いたように目が見開かれた後で頬に嫉妬したことを許してくれと願うようなキスをされる。 「ああ、分かった。……そのカフェの店員に一言言ってやりたいな」  エッグベネディクトをベティーと略すなと慶一朗の細い腰に腕を回しながらリアムが珍しく舌打ちし苦々しく呟くと、機嫌を直せ王子様と隣から穏やかな声が聞こえてくる。 「エッグベネディクトで良いか?」 「ああ。シャワーをしている間に作れるか?」 「もちろん」
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