Ordinary days.

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 どこかのベティーならばいざ知らず、俺が知っているものであれば作れると、先程の一言をいつまでも根に持ちそうな顔でリアムが頷くが、さっきは言葉だったが今度は態度でも機嫌を直せと伝えるようにその頬にキスをする。 「ベティーを作ってくれるお礼に今日は新しく買った豆でロングブラックを淹れてやる」 「うん。楽しみにしている」  ベッドルームから出た二人だったが、慶一朗は起き抜けの素っ裸のままバスルームに向かい、そんな伴侶の頬にキスを残してリアムは階段を下りていく。 「リアム」 「ん?」  階段を下りていくハニーブロンドに呼びかけ、どうしたと振り仰ぐ顔に今日も絶品の朝食を食わせてくれてありがとうと先に礼を言った慶一朗は、軽く驚いた後に嬉しそうな笑みを浮かべるリアムに頷き、バスルームのドアを開けてシャワーブースでまだ少しだけ体内に残っている睡魔を洗い流すのだった。
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