発情期編 第一話

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発情期編 第一話

頭の中が、番たい、この人に犯されたい、あなたの匂いで埋め尽くされたい、そんな気持ち悪いことばかり考えるようになってしまった 服が少しの風で揺れる度に、ものすごい勢いの快楽が押し押せてくる 僕は、立って居られなくなり、ヘトヘトと座り込む その様子を見た先輩が、しゃがんで、「大丈夫?」と肩を触って聞いてきた 大丈夫です。と言おうと瞬間に、「触るな!」と血相を変えた男の人の声がした あ、あの時…入社試験であったかっこいい声の人だ そして、コツコツと靴を鳴らす音が意識の遠い中で聞こえてくる 今は、辛くて近づかないで欲しい けれど、匂いが増す度に意識が遠のいて、目の前に来た時にそこで意識が切れた *** パチッ…目を開けたら、見たことがない天井が目に入った 外は、明るいということは、昨日は寝てしまったのか ここは…と思い出そうとするけれど、頭痛がして、ボーッとしてしまう やけに体も重いし 「ん~」まだ、寝てたい いっその事寝ようかな…って!知らない場所で寝るなんて僕なんて無防備なんだ… でも、このふわふわのベット…本当に雲の上にいるみたい~ 目をつぶったら沈んでしまいそう… スゥー…って!寝たらダメ!寝たらダメ! スゥー…「ガチャ…」ドアが開く音が静かな部屋に響く だ、誰か来た ここは、見つかったら困る?と、とりあえず、寝たふりをしとこう すると、人が近づいてくる気配がする 薄っすらと目を開けて、近づいてくる人を見る 目の前に来て、しゃがんで僕の頭を撫でる 「ぐっすりだな…可愛い」と言って僕の前髪をあげておでこにキスをする ンギャァァァ!今すぐ拭きたい!知らない人に、キスされるなんて… って、この人の声聞いた事ある気がする 「おかゆを用意したのだが…起きそうにないな」 「写真だけ撮っとくか」とどこからかスマホを取り出して僕の顔面を撮った そして、社長は、部屋を出て行ってしまった 僕は、飛び起きておでこを触る 「き、き、きす!?」 「おでことは言え、きす!?」 「し、しかも写真も撮られたし…うわぁぁぁ」とうなだれると「ぐぅぅぅぅ~」とお腹がなった おかゆ…食べたかった… ていうか、あの声ってもしかして…入社試験の時にあった声…だし、さっき思い出したけど社長挨拶の時に確か発情したんだよね 確か、社長と目があった時に…と社長の目を思い出した途端、ブワァっと身体全体から熱が出るような、香りが出ていくような感覚に襲われる 「ま、まさか…」 社長が運命の番ってこと!? えっえっ…ど、どういう…は!? え、だって社長は僕の標的で、ライバル会社の社長… 頭が混乱して爆発しそう…
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