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発情期編 第二話
「ガチャ…」
や、やばい!来る!逃げないと!と思い布団を被って、ベットの上の方に行く
カタカタと体が震える
僕が僕じゃなくなっていきそうで、怖い
「なぎ、起きたのか?」
な、なんで僕の名前知ってるんだ!?
「なぎ、お腹空いてるだろ?お粥、食べないか?」と意外なお誘いをされた
もちろん、お腹は空いてるし、食べたいけれど…
「俺は、薬飲んでるからなぎの匂いにも耐えられる。襲ったりしないから出てきておいで」
「ほんとにぃ?嘘じゃない?」
「あぁ」
「う、嘘ついたら…」
「分かってる。襲ったりしない」そう言われて少しづつ布団を捲っていく
少し、社長の顔が見えたところで捲るのを止めた
ちゃんと、お粥は持ってるのかな
確認したらちゃんと持ってた!
よし、これならと思い布団から出た
「やっとでてきた」と言うとベットの横にあるサイドテーブルにお粥の乗った木製のトレーを置いて、ベットの中に入ってきた
「ええっと?は、入らないでくださいよ」
「なんでだ?」
な、なんで?と聞かれましても…
「俺のベットだし、入ろうが俺の勝手だろ?」
うぅ、確かにそうだけども…
でも、今は近づきたくない!
「と、とにかく!は、入らないでっ!」と言ったけど、ちゃんと入ってきて、僕に近づき、お腹の方を持って、僕を持ち上げる
「ふにゃっ」と持ち上げられて、びっくりしたら声が出てしまった
そして、社長の膝の上に乗せられて、「な、何してるんですか!?」
「さっきの猫みたいで可愛かったよ」と少し笑われた
ちょっとバカにした感じでムカついたので、頬を膨らませて、怒る
「さぁ、食べようか」と、サイドテーブルからお粥を持ってきて、僕の膝にトレーを乗せる
僕が、待ちきれなくてスプーンを取ろうとしたら「俺にやらせてくれ」とスプーンを奪われた
あ、ちょっと!「僕、自分で食べれるんです!」
「わかってるよ笑なんだその報告」
「俺が食べさせたいだけだから、なきは、黙って」と言われて黙る
社長はスプーンでお粥を取って僕に食べさせてくるけど、このお粥…熱そう!
湯気が出ていて食べたら多分火傷する
仕方ない!ガシッと社長の腕を掴んでフーフーする
「熱かったか?」
「フーフー」
熱そうだからしてんだよっ!なんて言えない
とりあえず、頷いとく
何回もフーフーして、よし、食べれそう!と思いパクっと食べた
ん~!美味しー!
「良かったな」となでなでしてきた
僕は、もう立派な社会人なのに…
まぁ、褒められるのも悪くは無い…
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