発情期編 第六話

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発情期編 第六話

パチっパチっ あ、朝?寝ちゃってた? 今何時だろう…と起き上がった 時刻は10時… し、仕事!!!!遅刻しちゃった! 直ぐに出ないと間に合わない… 急いで、寝室から出る って、ここどこ? あ、そういえば社長の家だったけ? でも、発情期休暇取ってないし… いや、社長に申請したら貰えるのか? うーん。とりあえず、リビングに行こう って、リビングどこ?お風呂場はあっちだったけ?と右をむく 「もぉ~広すぎてわからないよぉぉ」と嘆いていたら右のドアからガチャっと音を立てながら開いた 「なぎ?どうしたんだ?」 「社長!迷ってしまって…」 「そうだったのか…まぁ、リビングに入れ」と促されリビングに入る リビングに入ると、正面は全てガラス張りで、景色が一望できる 黒と白で統一された家具がかっこいい 部屋に見とれているとソファーに座った社長が「なぎ?来てくれないか?」 「は、はい!」と返事をしてソファーの近くに行った 「座って」と社長が自分の膝をぽんと叩く こ、これは座らなくてはならないやつ! けど、座りたくは…ないが!仕方がない。ここで逆らってしまったら僕は、信用を掴むことが出来ない! 「じゃ、じゃあ失礼します」とだけ言って社長に背を向けて座った そして、後ろからギュッと抱きつかれる 「ぬいぐるみみたいで可愛いよ」 「ぬ、ぬいぐるみ!?」と思わず聞き返してしまった 「ちっちゃいし、可愛いし、いい匂いだし、離したくない」と社長は僕の首にコツンと頭を着けて言う 社長は僕の首にキスをして「早く番いたい」とボソッと呟いた 「…」 僕はその言葉に返事はできなかった 僕はスパイだ。極秘情報を手に入れたら社長の元から去らなくてはならない きっと、極秘情報が見つからなくても、僕は出ていくと思う 社長に顔向けができない。スパイをやってるのにのうのうと生きていたら示しがつかなくなる これが、本当の運命の番だとしても… きっと、社長はこんなスパイより素敵な人が見つかる だから、僕は全力で騙してやるそう心に決めた
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