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発情期編 第十話
まるで本当にぬいぐるみみたいだな~なんて思っていたら、映画が始まった
数十分見始めてわかったことがある。てっきり恋愛映画なのかな?と思っていたらスパイ映画で少しビビっている
ま、まさか!?知られた!?
あんなに、膝に乗らないか?って聞いてきたのも…僕を逃がさないため?
考えれば考えるほど、バレたんじゃないかと胸騒ぎがする
なにか打開策は無いのか?
体調が悪いと言って、この映画を見ない。だけどもうだいぶ前に知られているわけだから…どうしようもない。それとなく聞いてみることにする?
僕がスパイだったらどうします?なんて、その流れで行くと、スパイをバラすみたいな感じじゃないか!
まぁ、聞いてみるいい機会だし、とりあえず聞いみよ
「翔唯さん?」
「ん?どうしたんだ?」
「そ、その…僕がスパイだったらどうします?」
「なぎがスパイだったらか…」
「はい」と冷静を装っていたが、心臓が破裂するぐらいドクドク言っている
「ん~、まぁ、そのスパイ内容にもよるだろうが、俺は何がなんでもなぎを手放さない」
「そうですか…」
翔唯さんの答えは思ってもみない言葉だった。
翔唯さんだったら、殺すとか、言いそうだったけど、そういうのじゃなくてほんとに良かった
翔唯さんはまだあって3日ぐらいなのに、どうして僕なんかのことを思ってくれているのだろう…
僕が、恋愛下手だからかもしれないけど、あまり人を好きになるっていう気持ちが分からなかったりしたし…
それに、大学生の頃に、アルファがオメガを奴隷みたいに扱うサークルみたいなものがあって、アルファは怖いっていう印象しか無かったけど、翔唯さんは不思議な包容力がある
抱きしめられてるのすごく暖かい
って!ターゲット相手にそんなこと思っちゃダメだろ!?しっかりしろ!と喝を入れた
そんなこんなで、喝を入れながらも、温もりを感じながらスパイ映画を見終わった
僕には、すごくいい勉強になった気がする
立ち回り方なんかも勉強できた
って、アクション系のスパイ映画だったから、僕にはあんまり関係無いんだけどね
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