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 週末、リュウさんと佐治さんの店で、文さんにすがってオイオイと泣く私の姿があった。そんな私をリュウさんが見て 「おお、いいねー。生きてる、生きてる。」 と笑顔で頷きながら通り過ぎていく。 「生ぎるっで、づらい~・・・。」  泣きながら訴えるけれど、文さんはにこにことして私の頭を撫でるだけで無言を貫いている。佐治さんが通り過ぎながら 「あー、あー、人はどうしてこんなにも色恋に左右されんのかねぇ。」 と首を捻っている。 「私が知りたいぃ~・・・。」  また訴えるけれど、文さんは相変わらずニコニコ顔だ。  以前「ファイトーいっぱーつ」と背中を叩いてくれたオレンジTシャツの常連さんが、遠くの席で 「ファイトーいっぱーつ!」 とグラスを掲げて私に声援を送ってくれた。 「いっぱ~つ・・・」  力なく答えるものの、また文さんに縋って泣きなおした。  ひとしきり泣いて落ち着いた私に、リュウさんが緑茶を出してくれた。 「ありがとう。」 「この間、上司来たよ。」  私はお茶を落としそうになってリュウさんを見上げた。 「ここへ?」 「うん。」 「誰と?」 「1人で。」
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