12.

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「ここで会うの、久しぶりだな。」 「うん。」  達喜が煙草に火をつけて、フーッと煙を吐く。 「元気?」  煙と一緒にそんな言葉を吐いて、私を見つめる。 「うん。」 「だよな。うん。知ってた。」  達喜が下を向いて苦笑し、つま先で地面をつつく。 「調子良さそうで、良かったって思ってる。」 「ありがとう。」  またつま先で地面をつつき、煙草をふかす。 「若い頃の知生を思い出すくらい、自然に笑ってること増えたよ。」 「そっか。」 「良かったって思ってる。」 「ありがとう。」 「良かったよ、本当。」 「うん。ありがとう。」  しばらく沈黙が続き、降りてきた夜の中で、達喜の煙草の火と煙だけが、色を持っているように見え始める。  達喜に伝えたいことはたくさんあったはずなのに、今は、一言しか思い浮かばなかった。  言おうか、言うまいか。  言葉が出かかっては、喉に引っかかって留まる。  達喜の煙草が短くなり、携帯灰皿の中にグリグリと入れられる様を見ながら、今言わないと、一生伝えられない気がして、私はついに口にした。
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