海が凪いだら迎えに来てね。

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そういえばあの事故の後、本当に両親が私の元へ来てくれた。 しかしこの両親も相変わらずで、瀬凪が洋平に預かってもらっていると分かった瞬間、徳島に帰っていくという・・・なんとも信じがたい冷たい対応ぶりだった。 ただ、いつも綺麗で身なりに気を配っている母親の瞼が、異様に腫れていたことから・・・心配でたくさん泣いてくれたんだろうなっと分かったから、心配をかけないように笑顔で二人を送り出してあげた。 凪砂と和解したとはいえ、よりを戻すとか、結婚するとかそういう話をせずに別れたせいで、今の私たちの関係はなんなのか自分でも分からなかった。 ただ、瀬凪はずっと家でも「パパ~」っと完全に凪砂をパパ認定してしまっている辺り、そろそろちゃんとしないとなぁっとは思っている。 もしも凪砂とよりを戻すことになったら、私たちは結婚するのかな? 凪砂は私と一緒に住んでくれるのかな? 凪砂との結婚生活なんて、夢にもみたことがないので全く想像できない。 私たちの人生が再び交わることなんてもう二度とないと思っていたから、私は今の関係のままでも十分幸せだ。 ───凪砂とちゃんと話そう
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