海が凪いだら迎えに来てね。

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久しぶりに休みを取れたという凪砂が、私と瀬凪の家にやってきたのは、あの事故が起きてから4か月が経った頃だった。 私の額には、あの日負った傷跡がわずかに残ってしまったけど、瀬凪を守って負った勲章だと自分では思っている。 「っえ、何お前・・・まだここに住んでんの?瀬凪が遊べるスペース全然ないじゃん。」 家に入ってくるなり、文句を言ってくる凪砂にイラっとしながら、瀬凪が散らかしているオモチャを片付ける。 『仕方ないじゃん。フルで働けないし保育料だってバカ高いし・・・今より高い家賃払う余裕なんて、今の私にはない。』 言ってからハッとした。これじゃあ凪砂を責めたみたいな言い方に聞こえたかもしれない。 『っあ、でも別にそれが辛いとかじゃなくてっ!!ほら私って売れっ子美容師だし?お給料はそれなりにあるから全然余裕なんだけど、将来のために貯金とか考えたら贅沢できないなってそれだけの話で、、』 なんとか空気を換えようと、明るくそう言った私を見て、少し悲しそうな表情を見せた凪砂を見て、とても胸が苦しくなった。
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