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「お前の手はいつも冷たいな。今も・・・あの頃も。」
それはまるで、凪砂もあの時のことを覚えてくれているみたいな言い方で、、
たったそれだけのことで、私の涙腺はあっけなく崩壊した。
それを凪砂に悟られないように、再び窓の外に視線を戻し、さりげなく涙をぬぐった。
私の手を凪砂が包み込むみたいに、上から指を絡めてきてギュッと繋がれた手を見て、あぁ幸せだなぁって思う。
もうこれ以上求めるのはやめる。今のままで私は十分幸せだ。
だからもうこれ以上、私から離れていかないで。
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