海が凪いだら迎えに来てね。

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洋平side ーーーーーーーーーーーー ーーーーーーー 萩花が運ばれたと聞いた病院に、美優と二人急いで駆けつける。 萩花の乗ったフェリーが海の真ん中で動けなくなっているニュースを見た時、全身が震えて止まらなかった。 萩花に連絡をとるが、案の定通じることはなく、、こういう時こそ凪砂だと思い、急いで凪砂に連絡を入れるが、、 任務中なのか当然通じるはずも無く、とりあえず何か分かれば連絡してくれっとメッセージを入れて、、ただひたすら、萩花と凪砂からの連絡を待っていた。 そんな俺に凪砂から連絡が入ったのは、夕方の17時頃だった。萩花が運ばれた病院の名前と住所が書かれていて、心配で早退していた美優を連れて二人で病院へ急いだ。 病院について凪砂に連絡をし、萩花のいる病室を教えてもらい、ダメだと分かっていながらも思わず駆け足で向かってしまう。 『っ凪砂!!!』 病室の前で瀬凪を抱いた凪砂の姿を見つけて、思わず叫んでしまった。 仕事の途中なのか、抜けてきてここにいるのか分からないが、【海上保安庁】の服を着たままの凪砂は、ジッと眠っている瀬凪を抱えて目線だけを俺に向ける。 隣にいた美優が、瀬凪の無事を確認して泣き出してしまった。 っが、今の俺には美優に構っている余裕が無く、、黙って凪砂の前まで足を進める。
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