海が凪いだら迎えに来てね。

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『─…凪砂っ・・・萩花は?』 まず一番心配していたことを尋ねると、そっと俺から目を逸らした凪砂の態度に一気に不安な気持ちになる。 『おいっ・・・何とか言えよ・・・萩花はどこだよっ・・・何があったんだよっ』 何も言わない凪砂に苛立ち、つい大声になってしまった俺を美優が宥める。 「……言いたくねぇ。何で洋平に萩花のこと話さなきゃいけないのか分からねぇ」 ──コイツ、殴っていいかな? 実は萩花が来なかった優香の命日の日、、俺は凪砂と派手に喧嘩をしてしまい、それ以来凪砂とは連絡を取っていなかった。 だからって萩花の容態を教えないとか、ガキすぎんだろコイツ!なんなんだよ、マジで。 「─…あのっ・・私も萩花さんのこと心配でっ・・・お願いします、教えてくださいっ」 美優が凪砂に頭を下げてそう言うと、凪砂は美優に視線を向けてから、 「額をケガして五針塗ったが、大事に至るようなケガではないらしい。今は麻酔が効いて寝てるから・・・少しすれば目を覚ますだろうって、医者が。」 俺を視界に入れないようにして美優にそう告げた凪砂は、腕の中で眠る瀬凪に視線を戻す。 「よかったぁ〜・・"瀬凪くん"も、その様子だと無事なんですよね?」 美優に再び問いかけられた凪砂は、黙って頷くとチラッと俺に視線を向けてきた。 「萩花には俺がついてるから、お前はもう帰れ」 まだ萩花の顔も見てないのに帰れと言ってくる凪砂に、腹が立って怒鳴りつけてやりたいが、、 瀬凪が眠っている手前、そんなことが出来るわけもなく、ジッと凪砂を睨みつける。 『とりあえず、瀬凪は俺と美優が預かるから・・・お前は萩花のそばについててやれば?』 そう言って美優に、瀬凪を受け取るように目配せすると、、 「─…いや、お前らには渡さない。萩花が目を覚ますまで、コイツは俺が見てる」 ──…は? っえ、萩花のやつ・・・凪砂に話したのか? よく分からない展開についていけずに固まっていると、、 「萩花と約束したんだ。俺がコイツと一緒にいるから安心しろって・・・約束したんだよ。」 切なそうにそう呟いた凪砂を見ていると、何も言い返せなくなる。
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