海が凪いだら迎えに来てね【完】

海が凪いだら迎えに来てね。

あの日、、
優香の命日の日

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約束の時間から二時間遅れてやってきた凪砂は、スーツを着て颯爽と現れた。

一言文句を言ってやりたかったが、、現れた凪砂の姿は俺たちが知っていた頃の凪砂ではなく、一言で言うと･･･相当疲れているような、少しやつれた様子の凪砂に、何も言えなかった。

っとはいえ久しぶりの再会が、嬉しくない訳ではなく、話し始めるとすぐにそんな感情は飛んでしまい、つい盛り上がってしまう。

しかし、優香の墓参りに向かったとき、俺たちは凪砂に信じ難い事実を告げられる。

「──…優香の墓ってこれか？」

当然知っているものだと思い、当たり前のように優香の墓石の前まで来た時、凪砂がそんなことを口にしたのだ。

まるで初めて来たというような口ぶりに、拓海が突っ込みを入れる。

「いやいやっ･･･凪砂っち、毎年俺らと会わんように時間ズラしてしてたんやろ？優香と二人でゆっくり過ごしたいんやろなーって思って、毎年トークに返信無くても何も言わんようにしとったけど･･･」

もちろん俺も拓海と同じことを思っていたし、萩花と翔大も同じだろう。

拓海に突っ込まれた凪砂は、少し驚いた素振りを見せて、、

「いや･･･俺、優香の墓参りにくるの今日が初めてだけど･･･」

何言ってんだ、お前ら。っみたいな顔でそう言い放った凪砂は、優香の墓に向かい合って、線香に火をつけたり花を供えたり、、勝手に墓参りを始めていた。