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シカミカムラ条約第十五条「種の存続こそが、委ねられた定めとする。」シカミカムラ条約の狙いはオゾンの地球席巻。オゾンなしに生きて行けぬ種族は地球内にオゾンを持ち込もうとしていた。彼等は慎重に慎重を重ね、遂にクリニカルな社会にまで辿り着いたのだ。木橋喜太郎はその種族、波留須族(はるすぞく)だったのだ。酸素とオゾンでは、光の捉え方がまったく違い、生き死ににまで齟齬が生じる。「つまり、パチンコは入賞口…ヘソだな。あっははっ!空輝…ヘソだよな。」気さくなパチンコ講師の木橋喜太郎は爆笑していた。「ヘソ…まぁまぁ、空輝…入賞口だろ?クリニックだからな。兎に角だ。入賞口に…まぁ…ヘソだよな。」木橋喜太郎は痛恨のミス、停滞が凄まじく、未だに入賞口かヘソかで迷っていた。「入賞口…ヘソに玉が…あっははっ!空輝ぃ〜頼むよ……空輝っ!頼んまいっ!!」顔を紅潮させ、合掌する木橋喜太郎…。私は木橋喜太郎が借りたコンテナ内の教壇を前に、愕然としていたのだった。
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