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眉間にもキス、鼻先にもキス…あ、この流れはって期待通りに、唇にもトンっと触れるだけのキスが落ちてきた。
もちろんすぐに離れたけど目が合うとやっぱり照れるし恥ずかしい嬉しいしで、頬が紅潮する。
「…もぅ、イタズラ禁止!」
「はは、顔がりんごみたいになってる」
「これはっ誰かさんのせいでしょっ」
「へー、誰のせい?」
「…意地が悪い。」
「誰のせいか、教えて悠馬。」
ズイッと近づいてきた晃の唇が俺のに触れるか触れないかの間近で問うから、声の振動も吐息の温かさも伝わって心臓がおかしくなりそうなくらい早くなる。
「ぁ、」
晃が、って言いかけて、でもちいさな発声も吐息も振動もこんなに近いと自分にも返ってきて肌が震える。
「「ぁ、」なに?」
触れてないのに触れてる錯覚おこすのに、もう恥ずかしいからこれ以上喋らないでっておもうから顔を背けて晃の肩に顔を埋めて避難する。
「逃げるのズルくないか?」
その声が、背けたせいで耳に吐息ごと入ってくるからもっと事態はわるくなったんじゃないだろうか…耳朶を触られてもないのに愛撫されてるみたいに感じる気がする。
「…ン、ゃ、くすぐったい。じゃ、なくて、だから…俺はズルくないし。」
反論はしてみるが、晃の息づかいだけで肌を撫でられて羞恥に粟たつ。
「ズルいだろ、やっぱり。あー…もー、こんな真っ赤っ赤な可愛い悠馬どうしてやろう」
「なっ!かわ、かわっ、可愛いとか、いうなぁっ」
あんまりな台詞に一層顔を肩に沈み込ませ、ちょっともう簡単には上げられないかもしれない。
だってどうされるのか予想もつかないし、いったい今自分がどんな顔してるのか…もっとわからないから、無理っ!
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