恋人同士になりました。

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晃SID ◆◆◆◆ 完全に拗ねてしまったらしい悠馬が可愛くって仕方ない。 イタズラで子供っぽいキスをしただけで頬をりんごみたいに赤くしたかとおもえば、照れて拗ねたいまは首まで真っ赤っ赤に白い肌を染め上げている。 触りたいなとおもった。 ふれればサラリとしているのにしっとり手指に吸い付くような肌質は、陽の下にいても焼けない白いまま滑らかで光沢のある絹のようだ。 それがこんなに赤く紅潮しているのに、体温は少し低いままなのだから、本当にただ照れているのだと知る。 わかってはいるけど、もし具合が悪くて赤くなっているのだとしたらこのデートを中断するつもりだったから安心する。 「こんなに素敵なデートをありがとう。悠馬、もう俺の顔なんか見たくないかもしれないけど、お礼だけは言わせて?」 「…ズルいの、どっちだよ」 うん、そうだよな。こういう言い方したら絶対に悠馬が顔を上げて俺を見てくれるって分かってて言葉選んだんだ。 「もう、怒ってない?」 「最初から、怒ってなんかないよ…ちょっと、その、恥ずかしいってだけで、」 「そっか、それじゃデートを続けてもいいってことか?」 「別に、終わってないし。…まだ」 首の向きを変えいくらか赤みのひいた顔で薄桃色の唇を尖らせる悠馬は、やっぱり可愛い。 あぁもう、こんなに愛らしい恋人を目の前にして我慢するのが不可能じゃないか。 気を逸らすために子供っぽい揶揄はしたらソッポ向かれるって学習したのはつい今しがただ。 折角のデートに水を差すのはもう今後はやらないほうがいいな。 と、決意を新たにした。心の中で。 、
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