秘密は嘘

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「悠馬?」 思考の湖に落ち 後悔とか何なのかぐちゃぐちゃになった水の中で思い出をほじくり返したり父さんたちとの約束を再認識させられたりとクルクル目が回る。 ハッと現実に戻りでも何か言わなきゃと焦ってもいる。 「今」にピンとを合わせ言いたい言葉を飲み込む。 「あきらは…告白した?相手の人に…好きって、伝えた?」 「いや…そんなことは出来ない。」 「どうして?言ってみなきゃわかんないじゃん?」 「言ってもどうしようもない相手なのに、か?」 「それってどういう人なの…?」 「…ごめん、失恋したばかりの悠馬に話すべきじゃなかった。」 「胡麻化さないで。」 「ごめん…」 「どうしても…言えないの?」 「………。」 言葉の代わりに、晃は無言で小さく頷いた。 そして溜息みたいに長く息を吐いてから、俺の肩をまた強く抱き寄せた。 「自分の気持ちを、正直に相手に伝えるって…難しいな。俺は臆病で、…怖くて、悠馬みたいに素直になれない。…勇気がないんだ」 真っすぐにそれこそ素直な晃の瞳は俺を見ながら潤んでる。今にも泣きそうで、見ているこっちが辛くなるくらい切ない。 好きになってしまった人が他の誰かへの思いを語るのは辛い。 けれどもそれ以上に好きになった相手が、苦しんでいる姿を見るのは…悲しい。 (そんな顔をさせる相手が俺だったらいいのに…) と、願ったところで俺じゃない。 『もしも』を考えたら行きつく先は晃と俺のハッピーエンドだ。 けれど現実はそうじゃない。 彼を切なくさせるのは他の誰かで、俺を悲しくさせるのは彼…じゃない。俺自身の嘘のせい。身から出た錆なんだ。 、
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