エピローグ

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「いつ離婚されてもおかしくなくて、あんな首宛てしてるって…不憫だよねぇ」 「おい」 「だってさぁ、気にならない?沢村先さんマーキングもされてないってことじゃん。そりゃあさ一方的なのは夫婦でも強制支配になるからダメだけど結婚したら合意でするもんじゃん?んで、やっと安定するもんでしょ?」 法律上、オメガへのマーキングは支配とみなされ違法だ。 けれど本人たちの合意の上と、万が一の解除の為にマーキングしたら義務が生じる。 義務はマーキングしたアルファに課せられ、強制支配や離婚やマーキング解除などアルファ側の横暴を抑制するためのものである。 オメガはマーキングされた時点で相手のアルファ以外を受け付けなくなるうえその支配者となったアルファからしか解除できず万が一解除されてしまっても、一度マーキングされた相手以外は受け入れらないので生涯パートナーを得られず苦しむ。 そのため、一方的な強制や離婚もしくは解除となった時点で生涯補償義務として最低年間5千万からの補償金支払が命じられる。 この金額は流動性で、三人家族の家庭の平均生活費から算出され、その5倍額と決まっている。 もちろんバレなきゃ大丈夫、なんてことはない。 生まれた時からDNAのサンプルは管理され、個人記録として保存されるしマーキングも辿ることが出来る。そもそもアルファである以上この金額が払えないということはないだろうという予測込みだ。 もしも本当に何もなければ借金してでも払わなくてはいけないという強制力がありこれが原因の自己破産も出来ないようになっている。 「ほーんと劣性オメガって可哀想だよねぇ」 「おいこら」 「だってさぁー」 「中谷、口には気を付けろ。」 「あ、あぁ…はいはい。そっかお前のお母さんもオメガか。もしかして劣性オメガ?」 「いや、優性だ。お前は違うのか?」 「俺もそうだけど、でもマーキングされてるから目印のチョーカーもファッションみたいなもんだし。」 「俺のとこもそうだ。だからじゃないか、離婚が前提ならマーキングなんてされないほうがいい」 「それはそうだけど、でも一度結婚して離婚されたらオメガは嫁ぎ先に苦労するもんでしょ。失敗した欠陥品扱いだししかも実家からの支援なんてほとんど受けられないし。それなら補償が確定のがよくない?」 「まぁ…そうかもしれないけど。」 もしかしたら沢村本人が拒否しているから、未だマーキングされていないんじゃないか?と言いかけて止めた。 、
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