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「悠馬、おまえ…ちゃんと意味分かってて言ってるのか?」
「へ?え、まぁ…はい。うん。」
だって俺もずっと好きだったから。ってのは言ってもいいのかな?いいよね?だって多分これって両思いってことで間違いないんだろうし。
「あの、あのっ…晃、おれも」
「いや絶対にわかってない。悠馬、昨日のことは俺が全面的に悪いだけなのにそうやって気安く許したら駄目だ。こんなこと俺が言えた義理じゃないがその警戒心の無さは問題があるとおもう」
俺の台詞をぶっちぎって一気に捲し立てる晃に面食らう。
うん、あのさ、俺の告白も聞いて?
「いや、あの、晃さん?」
「悠馬、俺を殴ってくれ!」
言うが早いか晃は立ち上がると俺の右手を勝手にグーの形にしてから一歩後退し軽く腰を屈めて目を瞑って待機の姿勢だ。身長差があるから腰曲げてるのは優しさですか。
ぇ、ちょっと待って。いきなり何の話なんだ??
ってかなにこの状況?
なにが楽しくて好きな人からの告白の場面でぶん殴る用意されなきゃならないわけ??
(んでもって…俺がパンチしなきゃなんないのかぁ?)
そんな馬鹿な。
そんなことしたら「お付き合いしましょ(ハート)」になるわけなくない?
絶対に嫌だっ!!
晃は下心で俺に手を出したと云うが俺だってチャンスは窺っていたし、なんなら軽くストーカーしてたんだぞ。
(…っていうかさぁ、あんなノリノリで抱かれたんだから気が付いてくれよっ!)
もぉ!なんなのこの鈍感アホちん!
最初から無理だったら死ぬ気で抵抗するに決まってるじゃんか!
相手が他でもない晃だから嬉しくて抱き合ったつもりだったのに、晃にはそうは見えなかったってこと?
そしたら晃のなかでは俺っていう人間は誰にでも身体を許してあまつさえ強請って喘いで乱れるド淫乱なのが通常運転にでも見えるっていうのか。
あ、なんか…メチャクチャ腹が立ってきたかも。
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