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あの日のお泊りがキッカケで俺たちはお付き合いすることになった。ちゃんと告白もされたし、俺も応えたしそうなるよね。
とはいえ、表面上は何も変わらない。
普通に生活して普通に大学生してる。
だって俺たちは「アルファ同士の恋人」という、ある種の禁断の関係だから他の誰にもバレてはいけないとわかっているから。
(もし俺があのタイミングで自分のことをオメガだと明かしていたら…手を繋いで歩けたのに、なぁ。)
と、おもわないでもないことはある。
でも、そんなことになれば即退学が目に見えているし、なにより晃の理想を崩したくないという気持ちもあった。
同性同士の恋愛も結婚もタブーじゃない社会なのはありがたいが、それでも子孫繁栄から外れた恋愛は否定的な雰囲気が否めない中で彼が俺を選んでくれたのは真心だとおもうから、ソレ(本気の証明)を手放すのが惜しいというのもあった。
「悠馬」
「あきら」
名前を呼び合い気兼ねなく隣に並んで歩ける。しかも隠れた秘密の恋人として、ってなんかとっても特別じゃん?
日常がこれまでの日常じゃないみたいに鮮やかに華やいで喜色に彩られている。
同じ講義を受けるときもこれまで通り隣に座るけれどちょっと距離が近くなって肩が触れ合ったり、こっそり指を絡ませたり。
ランチタイムも学食ならいつからか増えた友人たちとワイワイやりつつちゃっかり隣キープとか、たまに外ランチはプチデート気分になってしまうのが恋人かっ!
そういうものなのか!
浮かれてるよっ俺ぇ!
なんてったって初恋の初恋人だからそりゃそうなるし勝手がわからないから晃のリアクションに身を任せてたらこうなっちゃった。
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