1-7 日没

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   パラパラパラ……。  前触れの砂が降ってくる。  天使がポケットから聖水を取り出したのと同時だった。一抱えもある岩が見事に悪魔の頭を直撃した。 「あっ!」 「いてッ!」  声が重なる。悪魔はゴツン!からバタリで倒れた。さすがに天使は我が目を疑った。 「気絶? 嘘だろう、こんな間抜けな負傷で?」  儚げに見えても魔族、落石程度で倒れるとは情けない限りである。  天使は悪魔に清めの魔法をかけた。  冷静に考えたらヨダレごとき魔法でどうにでもなったのだ。ただ慌てる様子が面白かったというか……そんなことは口が裂けても言えないと思いつつ、悪魔を抱きかかえる。 「本当にこれだから……昔っからあなたは危なっかしくて見てられないんですよ」  腕の中の久しぶりの悪魔の寝顔を見下ろした。天使はその体を引き寄せ、移動の魔法をかけた。  周囲の景色が歪み、姿が消える。  その二人の残像を森に潜む金色の目が見つめていた。
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