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カフェテリアはとても広くて明るい場所だった。
駒田さんの話では、全校生徒と先生たち全員が座れる席数なんだって。
入口に飾られた給食見本を見て、あたしはびっくり。
「え?A給食とB給食、ふたつあるの?」
「そう。あそこでお盆と食器とって、欲しい方の配膳コーナーに並ぶんだよ」
ふたりでA給食の配膳コーナーに並び、カレーライスとサラダと牛乳をお盆に乗せてもらう。
「あの席にしよっか」
「うん」
空いていたふたりがけのテーブルに、向かい合って座る。
「いただきます!」
駒田さんは、とっても明るくて気さくな子だった。
「あらためて、自己紹介しとく。あたし、駒田杏奈。杏奈って呼んでね」
「剣城あかねです。あかね、って呼んで欲しいな」
「うちら、席、前と後ろだし、これからよろしくね。あかね」
「うん。よろしくね。杏奈」
杏奈の笑顔につられて、あたしも自然と笑ってた。
初めてできたお友だちが、話しやすい子でよかったな。
「杏奈は何かクラブ活動してるの?」
「あたしは、新聞クラブ。昇降口前に貼ってある明小新聞は、あたしたち新聞クラブで作ってるんだよ」
「へー、そうなんだ」
「あかねは、もう入るクラブ決めてる?」
「ううん。まだ、どんなクラブがあるかも、わからないし……」
「そしたら、色々仮入部してみてから、入るとこ決めたらいいと思うよ」
「そっかあ。……ムシとりクラブにも、仮入部できるのかな?」
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