看護師の呟き

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看護師の呟き

「この度はご愁傷様です。」 そう言ってあるご遺族を送り出した。 その後、隣にいた同僚が小声で言った。 「あの患者さんのご主人さん、奥さんの最期に間にも来なかったわね。 お見舞いに来ないで、何をしていたんだか! 死神先生にご主人がもし来たら話をしてほしいって、言っておこうかな。面倒だから嫌がるかな。」 「ちょっと!死神先生って本人に聞かれないようにしないと。」 「ねぇ、死神先生の噂知ってる?」 「噂?」 「先生が余命宣告された患者さんにキスをしてるんだって。」 「何それ。」 「あくまでも噂よ。だから名付けてってわけ。」 「いくらなんでも、そんな事する?」 「あのルックスで今だに独身よ! 何があるのよ。」 私達はそんな事を話しながら、仕事に戻った。 噂が真実だとは気付かずに…
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