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先生の温もりは母のものとは、全く違って甘美な香りがした。
主人が側に居てくれない虚しさを埋めてはくれないが、少しは忘れさせてくれそうだと思わせてくれる。
私の目から自然と涙が溢れ落ちると同時に、先生は強く私を抱きしめてた。
「僕が頑張るから、あなたを救いたい。
だから、投げやりにならないでほしい。
僕はあなたの希望になるから。」
「私の希望?」
そう言うと私の肩に手をかけ、右手が私の頬を撫で引き寄せられる様に口付けを交わした。
久しぶりの口付けは、今生きていると確かに感じる事が出来た。
最初は優しく、次第に激しくなった。
先生の若い生命を感じ、激しさを増すとさすがに私の身体がついていけなくなり力が抜けてしまった。
先生の口付けが激しくなればなるほど、私の身体は病気により重くなったのに軽くなったような気さえしてくる。
しかし不思議なことに身体は、軽くなっても起き上がる事が出来なかった。
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